昔、別のブログで『IDEA:理想』について書いた。
そのブログは既に閉じてしまったけど、改めて当時の『IDEA:理想』記事を読み直して
この人、何言ってるのか全然分かんない🤷♀️
いや、ブログ閉じて本当に良かったです。
テミン『IDEA:理想』MV感想|イデアをめぐる迷走
2020年11月にテミン正規3集「Never Gonna Dance Again : Act 2 」のタイトル曲としてリリースされた『IDEA:理想』。作詞はEXOの『Cream Soda』などを手がけた문설리(JF)、作曲はJames Foye III, Austin Owens, Jimmy Claeson, Adrian Mckinnon & Tay Jasperの共作となっている。( Adrian Mckinnon, Tay JasperはRIIZEの『Talk Saxy』、EXOの『Tempo』にも参加)
テミンは過去にインタビューで
タイトル曲『IDEA』は洞窟(プラトンの洞窟)の寓意からインスピレーションを得た曲です。 『洞窟に閉じ込められて』真実の影の中で生きるのではなく、暗闇から自分を解放し、新しい自我、アイデンティティ、意味を発見する啓発の旅に乗り出したいのです。
引用:https://hypebae.com/2020/11/taemin-lee-never-gonna-dance-again-act-2-album-superm-member-korean-music-release-interview
と述べている。
"洞窟(プラトンの洞窟)の寓意”はプラトンのイデア論に登場する比喩で、
洞窟の比喩の中では、まず人々=囚人は地下の暗い洞窟の中で縛られ、洞窟の壁を向かされています。洞窟の入り口には毎日さまざまなものが通りますが、囚人は洞窟の壁に映る影を通してそれが一体何なのかを想像・認識します。
そんななか、解放者が現れて囚人を束縛から解き、太陽が照らす外の世界へ連れていきます。今まで影でしかものを見てこなかった囚人は、初めは外の世界をうまく認識できません。しかし時間をかけて目を慣らし、徐々に真実の世界を認識できるようになっていきます。
この洞窟の比喩では、太陽が善の象徴とされていて、その善へ導く解放が哲学者による教育とされています。このように哲学者の教育を受けることで、人々は善の世界へ行くことができると結論付けているのです。
引用:プラトンの名言とは - イデア論や著書『国家』もわかりやすく解説! | マイナビニュース
というものらしいが、実はこのイデア論がずっと私を悩ませている。
そもそもプラトンのイデア論が肌に合わない
哲学を肌に合う/合わないで語るのは冒涜な気がするけど、この眼鏡だとよく見えない、くらいの感じです。どっちかというとプラトンを批判したアリストテレスの方が肌に合う。
プラトンとアリストテレスの対立は、道徳(モラル)と倫理(エシック)の対立の始まりでもある。プラトンは、道徳を基準とすることで人間を導き、少しでも知的な理想(善という永遠で不変で必然のイデア)に近づけようとする。
アリストテレスは道徳よりも倫理を優先させる。運に支配されたこの世の中ですべての人の行為を善という普遍的な絶対の概念によって律するのは無理なことだと諦め、それでも少しは「まし」になるように、状況や時代の変化に応じてその都度、適切な行動を選んでいくほうが好ましいという考え方である。
道徳は「究極の善」を求めるが、倫理は常に変化する世界のなかで「最善」を目指す。
引用:アリストテレスとプラトンは一体何が違ったのか 両極端な2つの人間のあり方を体現している | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン
まとめると、私は"善という永遠で不変で必然のイデア”は存在しないと考えてるので、イデア論が合わない。美のイデアもしかり。
そしてこのイデア論と私の脳内の不和がテミン『IDEA:理想』の腹落ちを阻害してる。
いったん横に置く、という選択
そんなわけで、大変邪道なのは承知のうえで、イデア論も洞窟の比喩も横に置いてMVの感想を述べていきたい。(そんなバカな)
テミンのインタビューによると要は『IDEA:理想』は自己探究の曲だ。そこにのみフォーカスする。
出発点となるのは「なぜ自己探究が必要なのか?」。
仮定の話(ここからは全部仮定の話)、アイデンティティ・クライシスが起きたから。なら、なぜそれは起きたのか。
あなたは誰ですか?
『IDEA:理想』の歌詞に
見ることもつかむこともできないのに いつの間にか新しく僕を定義する
とある。定義するのは誰か?大衆、もっといえば大衆がテミンに抱くイメージだ。
SNSが発達した現代は、ウォーホールがシルクスクリーンでマリリン・モンローのイメージを複製した時代よりもはるかに膨大なイメージが氾濫しアーカイブされシェアされている。
そうやって生み出された無数のテミンによってテミンは引き裂かれ、揺らぎ、途方に暮れる。
そしてふと思い至る。「そもそもテミンとは何か?」
(長くなったのでいったん切ります)
続きはこちら↓↓↓