ことばのほとり

新規テミンペンのゆるいオタ日記

【JPOP-KPOP番外】卒業していくJPOPアイドルと、卒業させたいイ・スマン

こちらは「JPOPアイドルを推していた人がKPOPアイドルを推し始めて驚いたこと」シリーズの番外です。
過去2回こちら▼

lkotonoha.hatenablog.com

lkotonoha.hatenablog.com

本当ならこちらの記事を第3回として考えてたんですが、書き進めていくうちにちょっと趣旨からズレた気がしたので番外としました。

 

 

 

卒業していくJPOPアイドルと、卒業させたいイ・スマン

JPOPアイドルがグループを脱退したり芸能界を引退する場合、よく「卒業」と表現されますよね。
(実情はどうあれ)よっぽどの事がない限り「卒業」という美名が用いられ、ファンは別れを惜しみつつも、いずれ訪れる新体制に胸躍らせる(か一緒に卒業するかは人それぞれ)。

一方KPOPアイドルは基本的に「契約解除」として報道されます。
そりゃアイドル本人からの別れの言葉、ファンへの感謝は綴られますけど、契約解除ってなんてビジネスライク。そりゃ、キーさんもこう言います。

https://www.youtube.com/watch?v=X5wT2-odw34

JPOPアイドルの卒業、まず「学校」ありきだった

いやでも、待てよと。そもそも逆にJPOPアイドルは何で「卒業」なの?と首をかしげてたら、面白い記事を見つけましたので以下引用します。

アイドルが初めて“卒業”という言葉を大々的に使ったのは1986年、おニャン子クラブから中島美春河合その子が離れるときだった。中島は歯科衛生士を目指して芸能界から引退、河合はソロ歌手として活動を続けたが、おニャン子クラブは「女子高生の放課後のクラブ活動」をコンセプトにしていたため、グループからの離脱を“卒業”と呼ぶのは自然だった。その後、語感のキレイさから、グループを抜けることを“卒業”と呼ぶのが一般化。アイドルに限らず、引退や番組降板の婉曲表現としても“卒業”は重宝されている。
引用:アイドルにとって“卒業”とは!? | ORICON NEWS

つまり、「女子高生の放課後のクラブ活動」=「学校』をコンセプトにしていたから「卒業」になってそれが令和になった今も続いている、と。これはスゴく納得!

で、実は日本の芸能業界でもう1つ明確に「卒業制度」がある場所、そう「宝塚歌劇団」。
宝塚歌劇団では舞台に立つタカラジェンヌは「生徒」と呼ばれます。何年在団しても何歳になっても生徒。こちらも以下引用。

舞台に立つのは、宝塚音楽学校を卒業した女子に限られ、歌劇団入団の時点で「研究科1年(研1)」になったと位置づけ、1年以内にどこかの組に配属される。研2・研3…と年次を重ね、各組のトップスターや組を束ねる組長、技芸に優れたベテランが組を離れて所属する「専科」になっても、在団する限りは「生徒」である。
引用:宝塚歌劇はなぜ100年続いたのか? | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

要は宝塚歌劇団が宝塚音楽「学校」と地続きの組織だから、劇団員ではあるけど生徒でもあるって感じかな。

 

KPOPで「卒業制度」の成功を夢見た男イ・スマン

https://forbesjapan.com/articles/detail/61263

そして、長年この「卒業制度」をKPOPで実現しようとしては失敗していたのが、SMエンタの創立者にして残念ながら今は袂を分かったイ・スマン氏。以下、これまた引用。

イ・スマンには長年描いてきた夢があった。その夢とは、グループにいるメンバーを自由に入れ替えることができるローテーション型アイドルを生み出すことだ。(中略)2016年、H.O.Tの時代から続いていたイ・スマンの野望は、NCTの誕生によって、ついに現実のものとなった。
3つのユニットの中で唯一、「成人卒業制度」というルールが定められたNCT DREAM。現メンバーにとって大きな転機が訪れる日は、もう目の前まで迫っている。
今後、NCT DREAMにどのような変化が起き、一体彼らの運命はどういう道筋をたどるのか、注目されている。
引用:「20歳になったらグループ卒業だなんて!」 NCT DREAMの卒業制度には、SMエンタの元祖アイドルH.O.Tから続く“イ・スマンの野望”があった! 独創的すぎて分かりにくい『NCTの正体』についても解説 - KPOP monster

まあ、2024年現在、結果としてNCT DREAMのメンバーに変化はなかったんですけど…(引用元は2019年執筆)NCTも拡張終了しましたし…。

イ・スマン VS ファンダム

イ・スマン氏は本当に諦めない男だなあ、と思います。
これまで、

1️⃣H.O.T.
1996年デビューの男性アイドルグループ。グループ名は“High-five Of Teenagers”に由来。
(以下、ウィキからの引用、出典元のサイトが消滅してたので真偽は不明)

SMの創設者であるイ・スマンが当初、プエルトリコのメヌードの卒業システムからヒントを得て、グループ名に「ティーンエイジャー」という言葉が使われていることからも分かるように、もともとは「10代による10代のためのグループ」であり、10代でなくなったメンバーは入れ替えられる予定であった。しかし、予想以上に人気が出てしまいSMエンタテインメントはその計画を取り止め、結果的に解散までメンバーの交代は行われなかった。
引用:H.O.T. - Wikipedia

2️⃣Super Junior
2005年デビューの男性アイドルグループ。
(以下、ウィキからの引用、出典元なかったので真偽は不明)

グループ結成当初、定期的にメンバーを入れ替えるプロジェクト・グループとして、グループ名が Super Junior05 だったが、メンバー入れ替えを望まないファンの抗議などにより、シングル「U」のときからグループ名の 05 が消され、以後 SUPER JUNIOR として活動している。
引用:SUPER JUNIOR - Wikipedia

3️⃣NCT DREAM
2016年デビューの男性アイドルグループ。
満20歳になるとグループを卒業する体制を敷いていて、なんならリーダーのマークは2018年に一度卒業したんですが、2020年に再合流しています。これと同時に、“卒業制度を廃止し、今後は7人でNCT Uの形での活動を行う”と発表されました。(NCT Uについては本筋からそれるので割愛)

どうして男性グループばっかりなの?

お気づきかと思いますが上記は全て男性グループです。
卒業制度の発端となったおニャン子クラブや、女性だけで構成される宝塚歌劇団を考えるとちょっと対照的ですよね。

何でイ・スマン氏は男性グループばかりでチャレンジするのか?
それは、日本とは違い韓国の男性アイドルには兵役というタイムリミットがあるというのが大きいからだと思います。

ここからは下記の記事よりいくつか引用させていただき、話を進めますね。

gendai.media

日本でも「不況の時はアイドルが流行する」といわれるが、当時の韓国は1997年にIMF通貨危機に直面するなど、決して豊かな状況ではなかった。また、世相的にもアイドルはかりそめのもので、20代半ばを過ぎれば特に男性は入隊義務が生じることもあり、将来的にはタレントへの転向やソロ歌手を志向するなど人気があっても3年から5年で解散するパターンが多かった。

そもそも「アイドルは若者たちの娯楽」という向きが強い韓国。
ただでさえ短い旬が上記のように入隊義務によって強制的に打ち切られる。
記事では兵役はかつて“「男性アイドルの墓場」と呼ばれた”ことも紹介しています。

そんな中で「長く愛されるづける男性アイドルグループをつくるには?」とイ・スマン氏が頭を捻り続けた結果、導き出されたのが「卒業制度」だったのかもしれません。

ちなみに引用元の記事によると、現在は韓国のアイドル文化も変化していって息の長いグループが増えつつある、とのことなので大変喜ばしいです。

変化していく除隊ドル

例えば2023年6月に韓国人メンバーが全員兵役を終えたONFは軍白期に対する不安を述べながらも一方で人間的成長を感じたとも話し、また除隊後初カムバックではキャリアハイを達成しました。

J-USは「入隊後、不安な気持ちが一番大きかった。『長い空白期で、ONFというグループが人々やファンの方々に忘れられたらどうしよう?』とたくさん思った。でも、その中でファンの方々から手紙も貰った。メンバーたちのこともたくさん思い出した。メンバーたちを頼りにして耐えたし、除隊するまで軍隊で誠実に生活したと思う」と話した。
引用:ONF、韓国人メンバーが兵役終了…除隊後初のカムバックに“忘れられていないか不安だった” - Kstyle

ワイアット:僕はアイドルとしての人生しか生きてこなかったので、他の仕事をする誰かに共感したり、その人を理解する能力が足りなかったのかもしれません。でも入隊して多くの人々に出会い、他の人たちが生きてきた話を聞きながら世の中を見つめ、理解する視覚が変わった気がします。また、ある状況に迅速に対処できる瞬発力もついたと思います。
引用:ONF、韓国人メンバーの兵役終了後初のカムバック“除隊したら怖いものがなくなって自信がついた” - Kstyle

さらに今年デビュー16周年を迎えるSHINeeがMMA2023にて見事「STAGE OF THE YEAR」を受賞したことも記憶に新しいです。

個人的に彼らの存在が若手や中堅アイドルの灯台になってほしいと願っています。