ことばのほとり

新規テミンペンのゆるいオタ日記

アイドルとかアーティストとか

アイドルとアーティストの違いについて。
下記の記事が面白かったので引用しつつ私見を述べていきます。

アイドルとアーティストは、商品として売り出しているものが違います。

双方楽曲を発表している点では同じですが、アイドルが売り出しているのは自分たちの魅力です。

アイドルは、自分の可愛らしさや魅力を商品としてファンに対してアピールしています。

アーティストは、自分が創作した楽曲や音楽作品などを、商品として売り出しているのです。

アイドルとアーティストは、武器として売っているものが違います。
引用:アイドルとアーティストの違いとは?仕事内容や苦労などを徹底的に解説 | wellen

まず対象を商品として割り切って分析するというのが目からウロコでした。改めて考えてみると基本的には納得しかないです。ただ、「アイドルとアーティストの違い」=「商品として売り出しているものの違い」なのは前提としつつ、個人的に現在のアイドル業界では明確な線引きは難しいとも感じています。

というのも、上記の解釈をカフェに置き換えるとアイドルがコラボカフェ(コラボするキャラクターで訴求)、アーティストが本格カフェ(味で訴求)かなって思うんですが(商品から店舗にスライドしてる部分は目を瞑って)、
コラボカフェでも場合によっては本格カフェと遜色ないメニューを提供したりするし、逆に本格カフェは味もいいんだけど実はマスターの人柄が集客に一役買ってるとか、あるじゃないですか。
さらに言うと、自店舗で1からフードの企画〜試作〜商品化するコラボカフェもあれば、外部の敏腕PD監修の本格カフェとか。

特にKPOPアイドルの中には非常に質の高いパフォーマンスを披露したり、作詞作曲やコレオ、PDもするって人多いじゃないですか。こうなると区分せずにアイドル兼アーティストとした方が適している気もします。(JPOPアイドルはちょっと在り方が特殊なのでひとまずおいて)

簡単に私見をまとめると「商品として見たとき、アイドルは自分の魅力を、アーティストは自分の作品を基本的には売りにしてるけど、実際にはどちらも入り混じっており現状明確な線引きは難しい」って着地です。
で、これで何が困るってブログ書く時の表記なんですが、事務所がアーティストと言ったらアーティスト、アイドルって言ったらアイドル。これでいきます。

余談1️⃣
今回「商品」という視点を得たことで、アイドルとアーティストの違いについて自分なりの着地点を見出せたんですが、過去に「社会の在り方の違い」で考えていたことがあって、「アイドルは偶像で、時代と大衆の写し鏡で、理想(欲望)の投影先だからアイドル自身が自我を主張しすぎないことが重要なんじゃないか。」とか。今振り返ると人権無視にも程があった。反省しています。

余談2️⃣
JPOPアイドル、じょじょに変わってきてると思うんですが、根っこにあるのは学園ものだなと個人的に考えていて。JPOPアイドル文化に欠かせない「卒業」制度もおニャン子クラブ(女子高生の放課後のクラブ活動がコンセプト)が発端と言われているし(参照:アイドルにとって“卒業”とは!? | ORICON NEWS)、未成熟でもOK(というか未成熟の方がいいまである?)結果よりも成長過程に価値を見出すのも学園的というか。成長を応援する、というのはKPOPでもありますがJPOPではとりわけ傾向が強い印象です。

余談3️⃣
そんなわけで、一口に「アイドル」と言っても、JPOP/KPOPでは微妙に在り方やパブリックイメージも違うし、英語圏の方々の「idol」はスターの意味合いが近いのでは?と悩んだりします。

余談4️⃣
中谷美紀坂本龍一PDで曲をいくつかリリースしてるんですけど(どれも名曲)、じゃああの中谷美紀はアイドル?アーティスト?どっち?って振り返ると、どっちもしっくりこない。中谷美紀はもともとアイドル出身ではあるものの、坂本龍一と組んだのは役者デビュー後。(所属していたアイドルGは解散)かといってアーティストの括りにも入れづらい。ただ、もう間違いなく坂本龍一PDの中谷美紀は素晴らしい。歌唱力が優れているとかじゃない。あのメロディ、歌詞世界、歌う中谷美紀の表情の硬さ、頑なで不器用で、怖いくらい透明な美しさ。これはもう「現象」という域なんじゃないかと思います。