ことばのほとり

新規テミンペンのゆるいオタ日記

【aespa ニンニン】ADHDを告白した件について個人的な懸念

去年の11月に少し話題になった表題の件について、今更ではありますが少し触れておこうと思います。

 

【aespa ニンニン】ADHDを告白した件について個人的な懸念

経緯

発端はGOT7 ベンベンのYouTubeチャンネル「뱀집(蛇の家)」。2023年11月24日公開動画ではaespa ニンニンがゲスト出演しベンベンとの間で以下のようなやりとりが行われました。

ベンベン「(ニンニンは)宿舎で横になっていつもスマホを見ているんですよね。」
ニンニン「私はこういうのがあります。ADHDがあります。」
ベンベン「おお、それは…カッコイイですね。」
ニンニン「え、ADHDがカッコイイって初めて聞きました。」
ベンベン「とても勤勉だと思います。」
ニンニン「貴方はポジティブですね。」
ベンベン「極端かそうでないかの違いで誰もがあると思います。」

※該当部分は16:08頃〜
※翻訳機使用のため一部誤訳・意訳の可能性があります。

こちらの件はその後いくつかのWEBサイトでも取りあげられています。

aespaのNINGNING、ADHDを告白「一つのことに集中できずストレスになる」(動画あり) - Kstyle

aespaニンニン、ADHDを初公表 - モデルプレス

ADHDについて

まず今回ニンニンが告白したADHDの特性及び診断方法について簡単にまとめます。

✔️ADHDは「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障がいの概念の一つ。
✔️医療機関で専門医が総合的に診断する。
✔️一部の疾患や生育環境によってADHDに似た症状が出るケースがある。

詳細は下記に各専門サイトから引用し紹介してますので、気になる方はどうぞ。

ADHDの特性

注意欠如・多動症ADHD)とは、発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態です。12歳以前からこれらの行動特徴があり、学校、家庭、職場などの複数の場面で困難がみられる場合に診断されます。

引用:ADHD(注意欠如・多動症) | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

ADHDの診断方法

当院では成人の発達障害ADHDを含む)について、生育歴など詳細な問診と心理検査を組み合わせた上で発達特性を評価し、総合的に臨床診断を行なっています。心理検査はご本人の特性により、いくつかの検査を組み合わせて行ないます。検査は公認心理師が実施します。

引用:心理検査(発達特性検査)のご案内 | 大阪市北区天神橋の心療内科・精神科『かわぐちクリニック』

診断時の留意点

小児向けの説明ではありますがこちらも引用しておきます。

ADHDの診断は医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われ、それ単独で診断ができるような確立した医学的検査はありません。しかし、一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにADHDそっくりの症状を引き起こす場合があり、小児科・小児神経科・児童精神科医師による医学的評価は非常に重要です。

引用:ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

個人的な懸念点

で、各節を踏まえて個人的な懸念点について述べていきます。

医療機関で診断があったか

まず大前提となるのがニンニンのADHDが医師の診断にもとづいたものかどうか。

近年では大人のADHDというワードが一般的になり、ネット上では簡易的なチェックリストも見かけるようになりました。ただ、こちらはあくまで「傾向」を測るもので「診断」とは別物。そしてベンベンがコンテンツ内で「極端かそうでないかの違いで誰もがあると思います。」と語っていたように、チェック項目は誰にでも当てはまるような内容が多いです。

こういったチェックリストだけを鵜呑みにして「自分はADHDに違いない」と思い込む方も少なくないんじゃないでしょうか。(念のため、こういったサイトにはあくまで目安だという注意書きがあるはずです。)

私が確認した限り動画内にこの辺りの説明はなかったかと思います。もちろん、プライバシーに関わるので公表する必要はありませんが、もし個人的な判断の場合以下のような問題が考えられます。

✔️医療機関による適切なケアを受けられない。
✔️別の疾患が見過ごされている可能性。

ADHDは個性か

ADHDは個性であるが、個性だけで片づけてはいけない。というのが私の考えです。

断っておきますが、ベンベンの対応を否定する意図はありません。事前の打ち合わせもなしに突然ああいう告白があった場合どこまで踏み込むべきか、どう着地させるかは慎重にならざるを得ないからです。

また、私自身はADHDではなく(検査済み)、専門家でもなく、あくまでそういう情報が入ってきやすい一般人の一意見と捉えてください。

ひとくちにADHDといっても個々によって程度は異なります。ただし、「障がい」と診断されるにはされるだけの事由があるんです。確かにある面だけを見ればそれは個性ではあるし、人によっては才能と呼ばれる部分かもしれない。でも日常生活でそれだけでは収まりきらない困難を抱え、医学的・社会的ケアが必要になるゆえの「障がい」です。

症状を矮小化したりポジティブな面のみに焦点をあてることは、良かれと思っても当事者を追い詰める可能性があることは心に留めておきたいです。

③1番必要なことは何か

正直、この点がもっとも気になりました。

ADHDでストレスを受けている。上手く集中できない。例えば、本を読むことと絵を描くことが好きだが、(一つのことに)集中できない」と吐露した。

引用:aespaのNINGNING、ADHDを告白「一つのことに集中できずストレスになる」(動画あり) - Kstyle

要は現時点でニンニンに負荷がかかっていて、今後何かしらのケアが必要になる可能性が高いということです。

これって原因がADHDでもADHDじゃなくても見過ごしてはいけない部分じゃないですか。

ただでさえ芸能界というストレスフルな環境で、メンタルヘルスがあまり期待できない事務所で。「みんな頑張ってるから。」で健康的に奮起できたり、自分の短所と上手に折り合いをつけられる内はいいんですけど、それが難しくなる前に身近な人が気づいてあげてほしいと思います。