ことばのほとり

新規テミンペンのゆるいオタ日記

貴方の感想は間違っている|Guiltyとヨンジュン君と事務所

前提として、これは私個人の意見でファンの総意ではありません。
また、アーティスト本人には一切関係のない話です。
では何の話かというと、TXTのプロデュースについて、です。要は事務所の方針がよく分からない、と。

 

貴方の感想は間違っている|Guiltyとヨンジュン君と事務所

以下のコンテンツに触れつつこの「よく分からない」現象について進めていきます。

・YEONJUN's 'make it happen' Winter 2023
・The Dream Chapter: ETERNITY - Concept Photo 'Port'

YEONJUN's 'make it happen' Winter 2023

www.youtube.com

今年2月に公開されたヨンジュン君のステージビハインド動画。
こちらでは
チョンハ「Gotta Go」:2023 KBS Music Bank Global Festival
ジョングク「3D」:2023 SBS歌謡大典
テミン「Guilty」:GOLDEN DISC AWARDS 2024
のカバーステージの様子も収録されています。

ビハインド動画、という体裁ですが主はヨンジュン君にフォーカスをあてたセミドキュメンタリーです。

意図

どの事務所においても公式が出すものはプロモーションを目的としています。
では『YEONJUN's 'make it happen' Winter 2023』で事務所が訴求したかったものは何か?

ヨンジュン君のアーティストとしての葛藤、成長?微妙に違います。
アーティストとしての葛藤、成長を経験するヨンジュン君という偶像です。

コンテンツを見ながら私は、この事務所はアーティストとしての自我を求めていない、もっと率直に言えば、TXTの世界観を壊すようなアーティスト性というものは不要だと考えているのではないか、というイヤな疑念を抱きました。

だから本来であればもっと掘り下げていいはずのアーティストの内面が巧妙に濁されている。

濁す

動画冒頭、ヨンジュン君がダンスへの愛と「ダンスの幅を広げ、スキルアップしたい」とアーティストとしての思いを告白します。で、あればどう「幅を広げ」「スキルアップし」より「ダンスへの愛が深まった」かを描くのが定石でしょう。

例えば動画内に挿入されたチョンハ「Gotta Go」カバーステージの評判。「自分たちのスタイルで再解釈して注目を集めた」であれば、どう再解釈したか、そこに至る彼らのクリエイティビティをきちんと入れないと説得力がないでしょう。

しかし不自然なほどそこには触れず、努力した、苦心した、そんな様子が映されるばかり。
努力は過程です。重要なのは何のための努力か。そこをクリアにすればよりコンテンツの臨場感、感情移入度も高まる、それは事務所だって分かっていて、あえてカットしている。その思惑がにおって正直見ていて据わりが悪かったです。

矛盾

カバーステージについてヨンジュン君の口からこのような事が語られました。

「そのアーティストをカバーするということは、その人に成りきらないといけないと思うので、それを研究する過程が難しかったです。」
「僕のスタイルどおりに解釈するのはカバーとは違う領域に行ってしまうと思ったので、できるだけその人に似せるようにして、その中から自然に出てくる自分の動きから僕の色をお見せできると思ったので、そんな感じで自分の色を少しずつ重ねていきました。」

つまりあくまで原曲を基調にし、習得するうちに滲み出る自分の色と融合させていく。積極的に自分のスタイルで曲の再解釈はしない、ということですね。

これの何が矛盾か。

前項の「Gotta Go」で「自分たちのスタイルで再解釈して注目を集めた」の部分と既に矛盾していますが一旦おいて、

テミン「Guilty」カバーステージの冒頭に同原曲者の「Criminal」オマージュを追加している点です。原曲にはなく、一度テミンのクリエイティブを紐解いて再解釈しないと絶対出てこない部分。しかも何故オマージュしたのかが動画内で一切説明されません。
(加えると今年5月に行われたTXTのファンコンでは「Guilty」に今度は同原曲者の「DOOR」オマージュを追加しています)

ヨンジュン君の原曲に対するリスペクトと、動画内の描写が矛盾しているんです。

ヨンジュン君が自分のポリシーに反してもどうしてもオマージュ部分を追加したかったのであれば、そこは絶対に描くべきだったと思います。そういう欲望はアーティストとして健全だし、長い目で見たとき必ず糧になる。

逆に、オマージュが事務所主導なのであれば、今度はヨンジュン君のポリシーを曲げさせたわけですから、それはそれでどうなの?と思ってしまいます。

ちなみに後日公開された『[EPISODE] TXT (투모로우바이투게더) @ 2024 GDA』(GOLDEN DISC AWARDS 2024のビハインド)でも特にこの辺りの説明はなかったです。

仮説

どうか「それは邪推しすぎ」「貴方の感想は間違っている」と言ってください。

事務所としてはヨンジュン君のダンスへの情熱、意欲、そして現状ではそこを解消してあげられない(コンセプトの世界観を守るため)ことは分かっていて、ある種のガス抜きのために(経験を積ませる意図もあるけども)彼にカバーステージをさせたのでは?

私が心底イヤーな気持ちになったのは動画ラストにヨンジュン君の「唯一無二の人になりたい」という信念を語らせておきながら、事務所はそのために必要なクリエイティビティを発揮させる気がない、というのが映像の端々から窺えることなんです。

そのくせヨンジュンという偶像(本人のことではないですよ)にはアーティスト性を演出させたい。その最大の矛盾が動画の端々に小さな矛盾となって現れている…

The Dream Chapter: ETERNITY - Concept Photo 'Port'

私の色眼鏡も大いに関係してるんでしょうけど、テミン「Guilty」、『YEONJUN's 'make it happen' Winter 2023』内でも結構フィーチャーされてたと思うんです。しかもファンコン含めてオマージュ付きで2回もカバーって。なんだ、事務所に強火のオタでもいるのか?と戸惑ったんですが、TXTの過去作品でヨンジュン君とGuiltyというワードに関連性が示されていたと。

それがThe Dream Chapter: ETERNITY - Concept Photo 'Port'。2020年5月にリリースされたTXTの2枚目のアルバム、そのプロモーションなんですが、

https://twitter.com/BIGHIT_MUSIC/status/1255874556557836290

画像内の数列をポリュビオス暗号(アルファベットと数字を用いた換字式暗号)で解読すると「GUILTY」となるんだとか。

いよいよ「よく分からない」

その、整理するとTXTの世界観のヨンジュン君(偶像)はGUILTYを暗示されていて、たまたまテミンがその後「Guilty」という楽曲をリリースして、世界観と符合するからカバーステージさせた?

他の事務所のアーティストの曲を?

なんというか、そんな借り物の概念でいいの?突き詰めるなら自分の事務所で「Guilty」とかそれをコンセプトにした曲を出せばいいのに。名前被りとかKPOP界隈山ほどあるじゃないですか。

コンセプト凝ってるわりにその辺はゆるいのが一番「よく分からない」です。